ART WORKSみみ つぐみの作品

絵本「メルルとようかいのおしゃれやさん」

ストーリー

メルルが神社で「おしゃれやさんごっこ」をして遊んでいると、一匹のカッパがやってきてこう尋ねた。
「にんげんじゃなくても、おしゃれになれるのかなぁ」
メルルが自分の水着を差し出すとカッパは大喜び!
いつの間にかメルルの前にはおしゃれしたい妖怪たちの大行列が。
メルルはへとへとになり店じまいを考えるが、それを知った妖怪たちは……

仕様

単行本: 24ページ
出版社: CHICORA BOOKS(ちこらブックス) (2019/7/30)
言語: 日本語
ISBN-10: 4866930918
ISBN-13: 978-4866930916
発売日: 2019/7/30
商品パッケージの寸法: 25.7 x 18.2 x 0.7 cm

使用画材

デジタル着彩、鉛筆、ケント紙

コメント

この絵本は、絵本作家みみつぐみ初の商業出版物となる。
著者の出生地・岩手県遠野市にある神社を舞台に、少女メルルと妖怪たちの交流を描いた。
昔話に登場する妖怪たちは、人々に語りつがれなければいつか消えてなくなってしまう運命にある者たちだ。
しかし、その妖怪たちが生まれた背景を考えてみると、その時代の人々の精神性や想像力を感じることができる。

そこで著者は、現代日本人の暮らしや文化の変化と共に、妖怪もアップデートされたら面白いのでは? と考えた。例えば本作品には、天狗が登場するが、本来修行僧であるはずの天狗には休暇を出し、バカンスに出かけて欲しいと考えた。大昔から修行してばかりではつまらないのではないか? と考えたからだ。そのアイディアを提供するのが、主人公メルルである。「おしゃれ」というキーワードを使い、妖怪たちに新しい価値観を提案する。

メルルはおしゃれやさんとして妖怪たちに求められ、妖怪たちは新しい自分に生まれ変わる。
彼らが今もどこかでそんな遊びをしているのではないか……と想像すると、ちょっと微笑ましい気持ちになる。

そして、メルルのように「好きなこと」で誰かを幸せにできたり、妖怪たちのようにおしゃれをして「新しい自分」を楽しめる私たちであったらいいな、と願っている。

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